ブランデッドムービー『この場所の香り』
監督:榊原有佑 インタビューが掲載されました!

9月27日に華々しく閉幕した米国アカデミー賞公認・アジア最大級の国際短編映画祭『ショートショート フィルムフェスティバル & アジア 2020』(通称SSFF & ASIA)。期間中には、企業や広告会社が制作したブランディングを目的としたショートフィルム(ブランデッドムービー)の祭典「BRANDED SHORTS 2020」が開催され、ネスレ日本株式会社のブランデッドムービー『この場所の香り』がプレミア上映されました。

「ネスカフェ アンバサダー」の涼子(紺野まひる)の会社には、仕事の間にコーヒーブレイクができ、くつろげる休憩スペースがある。この場所では部署や年齢に関わらず、人々の交流がある。普段あまり話さない人とでも、ここでは、不思議と会話が生まれ…。
これは「ネスカフェ アンバサダー」にまつわる、心温まる2つの物語。

ネスレシアター
本編はこちらから無料で見ることができます。
https://nestle.jp/konobasyo-no-kaori/

【インタビュー】別所哲也×『この場所の香り』榊原有佑監督 コミュニケーションが企業と生活者をつなぐ――ブランデッドムービーの未来(シネマカフェ転載)

ブランデッドムービーでも大切な
「人間ドラマ」

SSFF & ASIA 2014にて『平穏な日々、奇蹟の陽』を発表し、主演の有村架純がベストアクトレスアワードを獲得するなど、SSFF&ASIAとは以前から深いつながりのある榊原監督。2018年には理学療法士として働いた自身の経験をもとにした初長編作品『栞』を発表しているが、今回、別所さんからのオファーを受け、ネスレシアターのブランデッドムービーに挑んだ。

別所:これまでの作品を通じて、映画を作る上で大切な演出の部分、「人を描く」という点で信頼できる監督ということで、私と諏訪慶プロデューサーからお願いしました。映像作家というある意味での職人・料理人が、ブランデッドムービーということで、与えられた素材をどう料理し、映画として組み立てていくのか? それは内発的に「自分はこういうテーマでこういう作品を撮りたい」と発露するのとは異なると思うんですね。

榊原監督:それはありました。これまでの映画づくりは、特にオリジナルでやる場合、普段から自分が考えてきたことを核にして作っていけばよかったけど、ブランデッドムービーは広告的な要素との掛け合わせがあるので。

まず、「ネスカフェ アンバサダー」の方々にヒアリングをしていく中で、この仕事は単に「職場でおいしいコーヒーを安価で飲める」みたいなことだけではない魅力、深さがあるということに気づいたんですね。彼女/彼らが作り出す“アンバサダー”スペースがあることで、コミュニケーションが生まれていく――そこにたどり着いて、人々の交流、人間ドラマを作っていこうと決めました。


続きはシネマカフェ
https://s.cinemacafe.net/article/2020/10/05/69299.html

ブランデッドムービー『この場所の香り』上映 榊原有佑監督×平田満×奥野瑛太×大関れいかインタビュー(ORICON NEWS転載)

――完成した映画をご覧になっていかがでしたか?

大関:会社のほんわかした感じも伝わってきましたし、ほっこりした作品になっていたので、いい作品だなと思いましたね。

平田:ゆったりとした時間が流れている作品でしたね。短編ということで、展開がパパッと変わるような作品になるのかなと思っていたんですが、むしろこんなに短い時間なのに、ちょっぴりぜいたくな時間を過ごすことができる作品だなと思いました。

奥野:平田さんがおっしゃった通り、僕もゆったりとした作品だなと観ていて思いました。あらためて作品を観てみると、画面の奥の方にもしっかりと人が映し出されていて。会社の風景を作り出すために、そうしたところも丁寧に作り込んでいたので、すんなりと会社の雰囲気に入り込むことができました。

――監督は手応えはどうですか?

榊原監督:ブランデッドムービーを制作するにあたり、最初はアンバサダーという人にどうやってフォーカスをあてて物語を作ればいいのか、イメージが沸かなかったんです。でも実際のアンバサダーの方からの膨大な量のアンケートを見せていただいて。そこに共通して見えてくるものは何だろうと考えた時に、ただコーヒーが美味しいとか、安いというだけではなくて、あのスペースがあることで交流が生まれて、会社の雰囲気が良くなるというところが見えたので、それをもとに作っていこうという感じになりました。完成した作品を観ると、アンバサダースペースが大切な空間であり、そこで交流が生まれているということがちゃんと描かれていて。そこはよくできたなと思っています。

――撮影時に印象深かったことはありますか?

大関:丁寧な撮影だったので、けっこう待ち時間も多かったんです。楽屋では、会社員の役で入ってくださった皆さんとも、自然にみんなでおしゃべりしたりして。撮影自体がすごく楽しかったですね。

平田:ロケをした会社がけっこう広かったんで、そういう意味でも丁寧に作らざるを得なかったということはあったんだろうなと思います。でもおかげでとてもいい映像になっていたと思いますね。

――See you篇では、平田さん演じる牧野の、出社最終日の様子が描かれます。

平田:榊原監督は、ケレン味をバッと出すというよりも、さりげないところをすくってくださる監督なので。さりげなく、丁寧な、淡いところを撮ってくださったのが良かったですね。僕は何かを表現したというよりも、奥野さんと一緒にいるだけで、自然といい空気感があったので。やりやすかったですし、助かりましたね。

奥野:それこそ平田さんのことは昔から知っていますし、作品も観ていましたし、緊張しました。この機会に平田さんに聞きたいことがいろいろとありました。実際、撮影の合間などに演劇の歴史の話をさせてもらったりして。すごくありがたい空間でしたし、うれしかったです。そういう意味で、木野が牧野さんに対するリスペクトを持っているという関係性が、僕が平田さんに対してのリスペクトに反映されていたように思います。

――榊原監督は、このお三方のキャスティングをどういう風に考えたんですか?

監督:まずは台本を書いて、その中で決めていったんですけど、平田さんとは以前に映画をご一緒させていただいていたので、平田さんにはぜひお願いしたかった。大関さんもVineをやっている時から、知っていて。過去の出演作も観ていました。Thank you篇では、存在感がある感じでいてほしかったので良かったですね。そして奥野さんは、プロデューサーから、今回の木野という役に絶対に合うからと教えていただいて。ご一緒するのは初めてだったんですけど、とてもすばらしいお芝居で。ファンになりました。

――今回、ブランデッドムービーに参加してみていかがでしたか?

大関:わたしは普段、YouTubeをやらせていただいていて。自分でも撮って、編集したりしているんですが、自分で観たりもしているので。気軽に観られるなと思いますし、意外と10分とか15分の動画ってあっという間なんですよね。ショートフィルムも、すき間時間というか、日常の中にある時間帯でスッと観られるものなので、すごくいいなと思います。

平田:今回、ブランデッドムービーに参加してみて、とてもいい試みだと思いましたね。思った以上にCM色がないといいますかね。もっとネスレの機械とか、コーヒーとかを前面に押し出してくるのかと思っていたんですけど、そういうのではなくて。むしろ人間ドラマというか、奥でずっと見守っている感じがあって。とても品があるなと思いましたね。それは監督の品の良さにも通じるのかもしれないですが、多分ブランデッドムービーというものが、そういうものを目指しているんじゃないかなと思いました。

奥野:僕もブランデッドムービーということを意識せずに現場に行っていましたね。ちゃんと訴えたいコンセプトがありながらも、作品として全部を内包できるぐらいのふところの深さみたいなものがあるコンテンツなのかなと思いました。この映画を観ていたらコーヒーが飲みたくなったな、と思うような。そういう作品が増えていってもいいかなと思いましたね。

――では最後に、これから映画をご覧になる方にメッセージを。

大関:すごいほんわかした雰囲気の短編です。日常に転がっているものを拾い上げていて、自分にもこういうことがあったなとか、そういうことを身近に感じられる作品だと思うので、ぜひ観てください。

平田:長すぎず、短すぎず。本当にキュッとした時間の中で世界が広がる。そういう映画だと思いますので、一度ご覧あれということですね。

奥野:見終わってからコーヒーが飲みたくなる映画だなと思いました。ぜひ見終わってからコーヒーをどうぞ。

監督:See you篇とThank you篇は、それぞれ6分と7分の映画なので、ちょっとした休憩時間にでも見てもらえると思います。ただ、短いとはいえ、中身はしっかりと詰まっているので。ぜひ楽しんでもらえたらなと思っています。

ORICON NEWS
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